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  謝辞

 この度は文字文化特別名誉大賞という大変名誉ある賞を頂くことができ、とてもうれしく思います。昨年に引き続いての受賞に感慨も一入です。

 私が書写を習い始めたのは5歳の時です。鉛筆の持ち方が悪かったので、それを直すために家の近くの書写教室に通い始めました。始めの頃は鉛筆を持って字を書くことがただただ楽しくて、遊びに行くような気持ちで教室に通っていたのを覚えています。半紙や条幅をやり始める時には、それがとても嬉しくて、教室に行く日を指折り数えて楽しみにしていました。

 そんな私が書写を真剣に習い始めたのは、小学校1年生の時でした。きっかけは仲間の集いの席書きです。学年の1位と2位の人は舞台でデモンストレーションをしました。しかし、3位だった私は、1位をいただいた妹についていってそれを見ているだけでした。その時に、いつも一緒に練習している友達が2人とも前で書いているのに自分だけ何もできないのが悔しくて、そのような場で席書きができるのが羨ましくて、「来年こそは」と思い、練習に励みました。

 検定を受けていく上で最大の目標となるのは、やはりSを取ることです。書写を始めたばかりの頃は、Sを取るなんてことは考えてもいなくて、120課題を終わらせるということでさえ、いつ達成できるのかわからない、夢のまた夢のような話でした。それが今では、7検定で120課題全てSを取ったり、ライセンスで師範の資格を取得したり、こうして文字文化特別名誉大賞を受賞できるようにまでなりました。文字文化名誉大賞の選考は、毎月の検定の累計点で行われます。それは日々の頑張りがそのまま評価されるということでもあります。これまでどれだけ努力をすることができたのか、それを確かめる上での1つの目安となります。今回の受賞を通して今までを振り返り、この13年間で積み重ねてきたものの大きさを深く実感しています。

 私の好きな言葉に「夜明け前は一番暗い」という言葉があります。夜が明ける直前、それは1日で最も暗くなる時間。真っ暗で少し先も見えないような闇が続きます。このまま朝が来ないのではないかと思い始めた頃、空が少しずつ白んでいき、地平線から太陽が出てきます。どんなに辛く苦しいことがあっても、それを乗り越えれば必ず希望は見えてくる。これはそんな意味の言葉です。これまでずっと書写を続けてきた中で、つまずいたことはたくさんありました。いくらやっても、何回同じ課題を書いても受からなかったり、Sが取れなかったり、やっていく理由を見失いかけた時もありました。そんな時私は、いつもこの言葉を思い出しながら頑張ってきました。何があっても絶対にあきらめないこと、自分の意志を貫くこと、努力すれば結果は後からついてくること。これが私が書写を続けてきた中で学んだことだと思います。

 物事に終着点はありません。少しでも前に進もうとする姿勢がある限り、そこには必ず進歩があります。その意志を失った時に自分を向上させることは終わってしまいます。私の受賞もこれがゴールなのではなく、一つの通過点に過ぎません。またこれから1年、来年のこの日に向けて、新たな目標を設定し努力していきたいと思います。

 最後になりましたが、高校に入って忙しくなり、なかなか教室にいけない私を熱心に指導して下さる先生方、一緒に練習し、励ましあえる良い仲間達、そして支えてくれる家族に深く感謝します。今日の私があるのも、こういった周りの人達のおかげです。

 本当にありがとうございました。これからも精進していきますので、ご指導よろしくお願いします。

平成18年11月5日
東京都立国立高等学校1年 田村紗也佳

謝辞
 
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